高齢者の入居を難しくする事情
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賃借人さんが『入居者さま』となって久しいですが(昔は貸してやるという風潮だったと思います)、そんな借り手市場の現代でも入居に苦労する属性の方に『高齢者・外国人・経済的弱者』があげられます。
賃貸不動産の所有者は年代的に中高年以上の方が多いですから、感覚その他も必然的に旧態依然としている場合も多いでしょう。
物件確認で客付け業者さんから電話が掛かってくる際にも『高齢の方なんですが良いでしょうか?』とか聞かれる場合は多いです。
高齢だからってなんか悪いのかえ?と思う方はまだ若い方。所有者や管理会社にとって高齢者の入居で最大のリスクは『孤独死』だと思われます。
実際、孤独死の現場に立ち会ったことは何度かあります。詳細は延べませんが、なかなかの修羅場です。
人は必ず死にますし、いつ死ぬかなんてわからない。ましてや場所を選んで家族に見守られて息を引き取れる方は幸せなのかもしれません。
私(木村)自身は昨年親類が何人か亡くなりましたが、皆孤独死ではない、家庭や施設でのエンディング、愛犬も含めて生き抜いた最後という感じでした。
話を戻して、孤独死した場合に直面することは三つ。遺体がどうであるかと、残置物の処分問題、物的状況が解決するまでの賃料問題です。
賃料に関しては最近では賃料保証会社がありますし、『お金の問題だけ』ともいえるので、数字で済ませられます。
遺体に関しても、通常はその状態であれば病院に運ばれますから、賃貸物件で取り扱いに困るということはないです。発見が遅れた際の原状回復(詳細は言いませんが)というのはもちろんありますけれど。。。。
そうするとあと一つの『入居者さんの所有物=残置物』の扱いが結構な問題となります。
昔は『構わず捨てちまえ』とか荒っぽい方(誰とは言いません💦)もいたようですが、いまはコンプライアンス(法令順守)の時代。ルールにのっとった行動が求められます。
所有者さんが亡くなった場合には『相続財産』となりますから、相続人さんの承諾なく処分する等は当然にできません。
国交省による「残置物の処理等に関するモデル契約条項」はこの辺りを踏まえた条項となるようです。
どちらにせよ、元気に生き続ければいずれはみんな高齢者。
10数年前のことですが、解体するご自宅に近隣の方が記念写真を撮りに集まってくれた際の『そおよ~むかしはみんなピチピチよお~』とおどけていた80代のご婦人方達の笑顔が鮮明に記憶に残っています。